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8.銀の使い方 その1

皆さん「銀」はお好きですか?
私は8種類の駒の中で一番好きな駒はこの銀です。

桂もユニークな動きをしますが、銀もまたナナメの動きが特徴的ですね。
しかも敵陣に入ると成って「金」の動きになるので(もちろん成らずに銀の動きのままでも)、様々な使い方ができます。

私は教室で生徒さんに「飛車を竜にするためには銀の動きが大切ですよ」といつも伝えています。飛車と歩、または飛車単独で竜になることは稀で、多くは銀の手助けによってようやく成ることができます。
つまり、2つあるうちのひとつの銀は敵陣に向かっていく駒であり、その分交換も起こりやすいため、使い方をマスターするためには、

  1. 盤上にある銀
  2. 駒台にある持ち駒の銀

の使い方を知ることが大切です。

 

1.盤上にある銀

将棋を覚えたての頃、誰しも通るのが「銀を横に動かしてしまう」という失敗です。

もちろんこれは反則手なのでいけませんが、ナナメの動きだけを考えているとつい「あっ、横に行ってからナナメに動けば次に飛車が取れるぞ」などと都合良く考えてしまいます。前方へは金と同じように3か所動けますが、横には動けませんので、くれぐれも注意しましょう。

銀はナナメにジグザグと動くのが得意な駒です。ナナメに動くと、それからさらに前に行くこともできますし、元にいた場所に戻ることもできます。ただし真上に動くと、先ほどまでいた場所へすぐに戻ることはできなくなります。(戻るには3回も動かさなければなりません)
まずはこの感覚に慣れ、銀が前進するときには注意してください。

また敵陣に入ると、成銀となって金の動きに変化することもできるので、左、右、後ろと今まで動けなかった箇所に動ける成銀となるのが良いか、それともそのままナナメ後ろの動きを活かして使うのかをあなた自身が選択しなければなりません。歩のように元の動きから他の動きがプラスされるのと違い、銀は前方3か所を除き全く違う動きになってしまうので、動かした後どのように使いたいのかを考えて決めなければなりません。

例えば、このような場合でしたら、次に▲2三銀成と▲2三銀不成どちらがよいでしょうか?

(A) 後手22角、34飛 先手24銀の形
IMG_4177.jpg

(B) 後手22角、32飛 先手24銀の形
IMG_4178.jpg

(A)の場合、▲2三銀成とすると角取りではあるものの、次に後手が角を逃げられてしまうと、その後特に良い手はありません。そこでこのような局面の場合は▲2三銀不成とし、飛車角両取りとしましょう。つまり成って金の動きとせず、銀そのままの特徴である後ろナナメの利きを使う方が有効であるということです。

では次に(B)の方はどうでしょうか?
皆さんなら成りますか?成りませんか?
この場合、成っても成らなくても、どちらでも飛車角両取りにすることができます。つまりどちらも正解です。(ちょっと意地悪をしてしまいました)
ただ、どちらでも良い時は銀は成った方が良い場合が多い、とは覚えておきましょう。

では最後にこちらの局面どうでしょうか?
IMG_4179.png

成れる時は成った方が良い場合が多いと聞けば、とりあえず▲2三銀成としておこうと思ってしまうかもしれません。
しかし、その成銀が次にどのような動きをするのかを考えてみましょう。
早く飛車を成りたいのに、自分の銀が邪魔をしているように見えます。駒を渡さずに竜になるためには、その後2四成銀~3四成銀と2手かけなければなりません。

そこでこの局面では▲2三銀不成とするのが好手です。これならば次にすぐ▲3四銀成とすることができ、1手早く角取りとしながら飛車成りを狙うことができます。

このように、銀はすぐ次にどのような動きをするかだけでなく、その後どうやって活用していくのかまでを考えて成、不成を選ぶことも重要であると覚えておきましょう。

長くなってしまったので、持ち駒の銀の使い方はまた次に。

駒の使い方  2021/10/02